手湿疹とはどんな病気?
軽度な手荒れであれば、水仕事を止めたり、ハンドクリームによるスキンケアで改善することができますが、手湿疹がひどくなれば、乾燥でかゆみを感じたり、肌が赤くただれたりする場合もあり、ハンドクリームだけでは改善が難しくなります。
そこで今回は、手湿疹の症状や原因についてご紹介します。手湿疹について理解し、ひどくなる前に予防しましょう。
手湿疹の特徴
一般的には、手荒れと手湿疹はほぼ同じ意味で使われ、医学的に手湿疹は、接触皮膚炎の一種です。接触皮膚炎は、外部の物質の刺激や外部の物質に対するアレルギー反応によって発生する皮膚炎で、接触部位に発赤や水泡などの湿疹ができる皮膚の病気です。
手湿疹は、その中で、水や洗剤などの化学物質が関与する接触性皮膚炎のことで、アクセサリーや時計などの金属と接触することで起こる場合もあります。手湿疹は、水仕事をすることが多い主婦、美容師、飲食店店員、医療従事者、ネイリストに多くみられます。ほかにも、乾燥肌や敏感肌の方、年齢が高い方、手肌のスキンケアが不十分な方、手袋をせず水仕事をする方、刺激の強い界面活性剤が入った洗剤を使っている方、スマホを使いすぎる方、過度な手の消毒をする方も手湿疹のリスクが高くなります。
手湿疹の初期は、主に利き手の親指、人差し指、中指などの指先に、小水疱、びらん、カサカサ、皮膚が硬くなる、ひび割れやあかぎれなどの症状がでます。
手湿疹は大きく、乾燥型と湿潤型の2つに分けられ、乾燥型は手の乾燥が原因です。皮膚がカサカサし、ひどくなるとひび割れが生じます。また、指紋が消える、皮膚が硬くなるなどの症状が出てくることもあります。このような角化傾向の強い手湿疹は、進行性指掌角皮症と呼ばれることもあります。
手湿疹の原因
手湿疹の原因には、外的刺激による皮脂減少・異常があります。
水仕事や化学物質は、手肌の表面の皮脂を取り去ってしまい、角質層の水分の蒸発を防止する力が弱まります。皮脂膜も少なくなってしまうので、さらに水分の蒸発を防げなくなります。また、湿潤型の手湿疹の場合は、汗腺の異常などの皮脂分泌異常が原因と考えられています。
そして、バリア機能の低下も原因に挙げられます。手肌は、本来、角質層が厚く外部刺激に強い構造的な特徴がありますが、手のひらは、皮脂腺が少なく皮脂分泌が少ないのです。だから、一度バリア機能が低下すると回復が遅く、その状態で水仕事を続ければ、バリア機能はより低下してしまいます。
また、手湿疹になりやすい素因、手荒れになりやすい体質・素因も手湿疹の原因です。アトピー素因を持つ方は、外部から何らかの物質が皮膚に接触した際、それが刺激やアレルギー反応となって、アレルギー性の手湿疹であるアトピー性皮膚炎を発症するリスクが高いといえます。なお、アトピー性皮膚炎の人はセラミドが少ない場合もあるので、バリア機能が低いことも原因と考えられます。このようなアレルギー反応は、スキンケア化粧品、香水、洗剤、医薬品などが手に触れた場合に起こる可能性があります。
ほかにも、冷え性などによる手肌の血行不良も手荒れや手湿疹の原因の1つです。冬の季節で気温が低下している場合、運動不足、喫煙習慣、栄養素の偏りなど、よくない生活習慣が血行不良の原因になることがあります。
まとめ
手湿疹の原因の多くは、手肌の乾燥です。日頃から、ハンドクリームでの保湿力を高めるスキンケアやエイジングケア、手への刺激を避ける生活を心がけ、ひどい手湿疹になる前に予防することが大切です。
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